食で健康
2024.09.13

ヘルシーで地球にも優しい植物性ミルクで健康増進

~免疫力アップや美容に効果的な成分に注目!~
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植物を原材料とした植物性ミルクは牛乳の代わりなどで親しまれている飲料です。
健康や美容の目的で飲んでいる方も多く、また料理にも幅広く使用されています。
植物性ミルクの栄養素や特徴、目的に応じた使い分けについて、栄養士の武井 香七さんにお話を伺いました。

植物性ミルクとは?

植物性ミルクとは、植物の種や実を砕き、水で抽出して作られるミルクで、豆乳やアーモンドミルク、ココナッツミルク、オーツミルクなどがあります。

植物性ミルクは、牛乳アレルギーや乳糖不耐症(哺乳類の乳に含まれる糖質「乳糖」がうまく消化できず腹痛や下痢が起こる症状)の方でも飲めること、牛乳では摂れない栄養素が含まれていることがメリットです。

例えば豆乳の場合、牛乳と比べてカリウムや鉄、マグネシウムなどのミネラルが多く含まれています。一方、牛乳には豆乳の約7倍のカルシウムが含まれているため、成長期の子どもや骨粗しょう症の予防に役立つというメリットがあります。

普通牛乳と豆乳の成分比較

種類によっては、コレステロールを下げる効果のあるものや、肌の新陳代謝を促す効果のあるものなど、健康や美容の維持に役立つ植物性ミルクもあります。
また、植物性ミルクは牛乳よりも、生産するときの温室効果ガス(二酸化炭素やメタンガスなど)の発生量が1/3以下と少なく、生産時の環境に対する負荷が少ないため、環境への配慮からも選ばれることが増えてきています。

植物性ミルクの種類と特徴

ナッツ類

主な8つの植物性ミルクの食品成分(200g)は以下のとおりです。

主な植物性ミルクの食品成分

これらの植物性ミルクは原材料が異なるため、含まれている栄養素にも違いがあります。
それぞれの植物性ミルクの特徴は、以下のとおりです。

■豆乳

大豆を原材料としており、スーパーマーケットやコンビニエンスストアでも入手しやすいです。料理にも取り入れやすく、ダイエットや美容を目的として飲まれることも多いですが、味に豆特有のクセがあるため、好みが分かれるかもしれません。

<特徴>
  • タンパク質が多い
  • 大豆イソフラボンが含まれている
  • マグネシウムや鉄、カリウムなどのミネラルも多い
■アーモンドミルク

アーモンドを原材料としており、すっきりとした香ばしい味わいがあります。悪玉コレステロールを減らすオレイン酸や食物繊維、肌の新陳代謝を促す働きのあるビタミンEを多く含み、健康面や美容面においても効果が期待できます。タンパク質は少ないため、ダイエットをしている場合は他の食材で補いましょう。

<特徴>
  • オレイン酸や食物繊維、ビタミンEが多く含まれる
  • カロリーが低い
  • タンパク質が少ない
■マカダミアミルク

マカダミアナッツを原材料としており、クリーミーな甘さが特徴的です。マカダミアナッツは他のナッツ類よりパルミトレイン酸が豊富で、お肌のハリやツヤを維持させる効果が期待できます。カロリーは他の植物性ミルクと比べて低めですが、タンパク質が少ないうえに脂質が多いため、ダイエット中の方は摂りすぎに注意しましょう。

<特徴>
  • オレイン酸や食物繊維が多く含まれる
  • パルミトレイン酸が豊富
  • カロリーが低い
  • タンパク質が少ない
  • 脂質が多い
■ココナッツミルク

ココナッツ特有の甘い香りと味わいを感じられるミルクです。体内で分解されやすい中鎖脂肪酸が豊富で、摂取してから短時間でエネルギーになることが特徴です。マグネシウムや鉄、カリウムなどのミネラルも多く、肌の新陳代謝を促すことにより美肌効果が得られます。主に料理用として販売されており、エスニック料理などに取り入れて摂取することが多いです。

<特徴>
  • 中鎖脂肪酸が豊富
  • マグネシウムや鉄、カリウムなどのミネラルが多く含まれる
  • カロリーが高い
■カシューナッツミルク

カシューナッツを原材料としており、濃厚な味わいが特徴です。カシューナッツはナッツ類のなかでも鉄分が多いため、貧血対策に効果があります。食物繊維も多く含まれているため、腸内環境の改善も期待できます。

<特徴>
  • 鉄分が豊富
  • 食物繊維が多く含まれる
  • 炭水化物が少ない
■ピスタチオミルク

ピスタチオ特有の香ばしさやコクのある味わいが感じられるミルクです。ピスタチオにはビタミンB6が多く含まれているため、疲労回復や免疫力のアップ、髪や肌の健康維持が期待できます。他の植物性ミルクよりカロリーが高めなので、ダイエット中の方は摂りすぎないようにしましょう。

<特徴>
  • ビタミンB6が豊富
  • カロリーが高い
■オーツミルク

オーツ麦を原材料としており、オーツ麦の甘みと牛乳に似たクリーミーな味わいが特徴です。βグルカンという食物繊維が含まれているため、腸内環境を整えたり、動脈硬化を抑えたりする効果が得られます。カロリーは植物性ミルクのなかでは低めですが、炭水化物が多くタンパク質が少ないため、摂りすぎには注意しましょう。

<特徴>
  • カルシウムや食物繊維が多く含まれている
  • カロリーが低い
  • 炭水化物が多い
  • タンパク質が少ない
■ライスミルク

米や玄米を原材料としており、クセがなくまろやかな味があるミルクです。低アレルゲン食品なので、大豆やナッツのアレルギーがある方でも利用しやすいでしょう。
脂質は低いですが、オーツミルクと同様で炭水化物が多いため、摂りすぎには注意が必要です。

<特徴>
  • 炭水化物が多い
  • タンパク質が少ない
  • 脂質が少ない
  • ミネラルや必須アミノ酸、食物繊維などが多く含まれる

植物性ミルクで健康な体を

植物性ミルクは種類によって栄養素や特徴が異なります。
目的に応じて摂取すると、より高い効果が期待できます。植物性ミルクの摂取は1日200mlほどにして、バランスの良い食事をあわせて摂りましょう。

ミルクの種類と効果

植物性ミルクでさまざまな栄養素を効率よく摂取して、より健康的な生活を送りましょう。

武井 香七 株式会社Wellness Lead 代表

帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科卒業 横浜未来ヘルスケアシステム、戸塚共立第一病院3年7ヶ月勤務 株式会社コノヒカラ、障がい者グループホーム半年勤務 その後フリーランスを経て株式会社Wellness leadを設立。栄養士事業と健康事業を行なっている。

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